2 : 23 フリーウェア、無料

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これ、ぜんぶ、フリーウェア

2001年 5月16日
記事ID d10516a

前々回前回の記事で、ネットからダウンロードした書庫の解凍について、しつこく説明した。ので、今回は、さっそく無料ソフトをいろいろダウンロードしてきて、使ってみましょう。ネット上には、無料で使えるすばらしいソフトウェアがいくらでもあるのだから……。

ロゴって使い道が高いよね

自分のホームページの「表札」や各コーナーの題名として、ただの文字でなく、画像で、ちょっとクールなロゴを使いたくなることもあると思う。かなり高級な3Dロゴが、だれでも簡単に作れてしまうのが、OpenGLogoライター。下の画像のように、ほとんどマウスでクリックするだけで、ロゴの位置や姿勢、光源の位置、視点の位置を三次元空間内で制御できる。

18kb

これが無料なのだから、さっそくダウンロードしましょう――書庫の解凍の練習もかねて! 「OpenGL Programming On Windows 〜ゆういちの旅」のOpenGLogoライターのページに行って、「Download」というところからダウンロード。この記事を書いている時点で最新版は ver.4.00a、クリックすると次のようなダイアログが出るので、「ディスクに保存」を選択して[OK]。

8kb

ディスクのどこに保存するかと聞かれるので、分からなければデスクトップを選択してください。

7kb

ダウンロードは「小包」(書庫)を送ってもらうこと。慣れないうちは、届いた荷物をその場の思いつきでどこかの引き出しの奥(フォルダ)にダイレクトに保存すると、荷物が行方不明になることもあります。お届け物は「机の上」に置いてもらえば、ぜったい間違いありません。

5kb

209KBなので、低速な回線(例えば3KB/秒)でも1分ちょっとでダウンロード完了すると思います。「完了」と言われたらダイアログを閉じて、机のうえを見てみましょう。

1kb

届いてる、届いてる……。上のような見慣れぬファイルがデスクトップに現れてるハズです(これが今ダウンロードしてきたZIP書庫です)。なお、上記のアイコンは、ZIP書庫をeo(イオ)と関連づけている場合です。ここでは、とりあえずZIP書庫が解凍できれば良く、解凍ツールは、Lhasa(らさ)でも +Lhaca でもかまいません(インストールしてる解凍ツールによって、同じZIP書庫でもアイコンが違います。詳しくは、前回の記事参照)。意味が分からないかたは前々回と前回の記事を先に読んでくださいね。

eoに関連づけている場合、上のアイコンをクリックするだけで解凍できます。デスクトップ上に書庫名と同じ「oplg400a」というフォルダができ、そのなかに、書庫のなかみのファイル4つが出てきます。

5kb

書庫のなかみを確認しましょう。readme(Read Me「わたしをお読み!」)というファイルは、初めに読むお約束になっているファイルで、そこにソフトの内容の説明や注意事項が書いてあります。このソフトが気に入りましたか? 気に入ったなら、いつまでも「ひらいた小包の箱」を机の上に置きっぱなしにせず(そんなことを続けると、デスクトップ上がごちゃごちゃしてしまいます)どこか適切な場所にフォルダごと移動してください。どこかに「online soft」という専用フォルダでも作って、ダウンロードしてきたもので使えそうなやつは、そこにまとめておくと良いかもしれません。書庫 oplg400a.zip のほうは、なかみを出したので、もう用済みです。ゴミ箱にでも捨ててください。記念にとっておきたい場合も、机の上が散らからないように、どこか別の場所に保存しましょう。

書庫を小包にたとえましたが、少し違う点もあります。小包は中身をとりだせば空き箱ですが、書庫は中味を何度でもとりだすことができます。例えば、上の oplg400a というフォルダを間違って削除してしまったとしても、ダウンロードしてあるZIP書庫をもう一度、解凍すれば、また同じものが出てきます。

上記のように、慣れないうちは(慣れてるかたでも)、書庫のなかみを確認する作業は机の上(デスクトップ)で行い、要ると思えば適当な場所にしまい、要らなければゴミ箱に捨てる、というふうに、作業場所としてデスクトップを使うとべんりです。

調子に乗ってもう一本

ここではダウンロードと解凍の練習ということで先に進みます。(OpenGLogoライターの使い方は、ヘルプファイルを見ながらいろいろ試行錯誤してみてください。)

Visual Basic Programming Room」のダウンロードページで配布している「LOGO! version 7.00」も、簡単にこったロゴが作れるべんりなツールです。これも無料だから、とりあえずもらっておきましょう。OpenGLogoライターと同じように、いったんデスクトップにダウンロードして、それを解凍してください。もういちいち画像をあげて説明しなくても分かりますよね☆ こちらは「logo.LZH」というLHA書庫でZIP書庫じゃないですが、eo(イオ)などを準備してあれば、まったく同じように解凍できるハズです。

減色ツール Padie 超オススメ

LOGO! のほうは、作成したロゴを png(ピング)やjpg(ジェイペグ)というホームページでそのまま使える画像形式で保存できますが、OpenGLogoライターでは、作成した3Dロゴを bmp(ビットマップ)で保存するようになっています。ホームページで使うには、減色して(ファイルを軽くして)16色なり256色なりのpng画像に変換するとべんりです。減色ツールとしては、Padie をおすすめします。おそらくフリーウェアの減色ツールとしては現在、最高のものでしょう。

Padie は「多摩川ソフトウェア工房」にあります。現時点で「xPadie version 39」と「Padie version 35」が公開されていますが、下のほうにある古いバージョン(ver.35)のほうを選択してください。これもZIP書庫になってます。

さて、初めてのかたでも、このくらいダウンロードと解凍を実地に試せば、もうコツがつかめたと思います。分かってしまえば少しも難しいことじゃないでしょう……。ほしいソフトの書庫をダウンロードして、あとは解凍するだけ。やり方が分かったところで、さっそくべんりげな無料ソフトを探しまくるには、Vector のこのページから始めると良いでしょう。とてもぜんぶのソフトを試しきれないほど、無料のものが山ほどあって、ソフトの目的・種類別に整理されています。

ごく基本的な「書庫」の知識(解凍ツールの使い方)を覚えるだけで、ネットの世界の奥行きがぐっと深まるのが実感できると思います。

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偽画家 AARON

2001年 5月16日
記事ID d10516

「私は、自分自身がこのプログラムを模倣していることに気がついた。」‥‥「常に心の片隅に引っかかっている問題がある。それは、機械の自律性の問題だ」とコーエン氏は言う。「仮に私がアーロンを独自の頭脳を持つような存在にする方法を見つけたら、私はアーロンのすることを気に入らないかもしれない」
from 自分で絵を描くコンピューター・プログラムが登場

偽春菜はユーザを無視して、ひたすら自分勝手に「うにゅう」とひとりごとのような会話をつづけるが――それは自分の世界のなかで自分と会話するある種の「障害児」に似ていたかもしれない――、AARON も、本質的に似たAI系ソフトだ。偽春菜が毒舌トークを出力するように、アーロンは絵を出力する。まるで失語症の子どものように、なにも言わず、ひたすら画面上に絵をかき続ける。何枚も、何枚も……。モダンでクールで軽快でありながら、どこか「ゆがんだ」感じのする独特の絵だ。

20kb

AARON が描き続ける無数の絵のなかの一枚(部分、縮小版)

完全な絵のデータを持っていてそれを「再生」する(画像ファイルをひらく)のでなく、「絵の語彙(ごい)」を持っていて、それらを組み合わせて動的に作品を生成するらしい。だから、理論的には、いくらでも違った絵を描き続けることができる(が、真に創造的であり続けるためには、たぶん外界とのやりとりが必要だ。もっとも原始的にはデータベースの人為的更新。もう少し自律的なのは外界を「自分で見て」新しい絵のモチーフを自分で見つけることなど)。まさに偽春菜のしゃべりと同じコンセプト。AARON の開発者さんも、「最近の話題と関連している絵が描けるよう、とりあえずネットワーク更新機能をつけてみようか」と考えるかもしれない。

9kb

人物の顔の付近(原寸大)

AARON は、まず鉛筆でのデッサンのように輪郭線を描き、それから着色を行う。どのように曲線を生成するのか、数学的な細部は分からないけれど、見たところ非常にうまく実装されている――絵は、わりと平面的で、あまり「内部的には3Dなのをレンダリングしてる」っぽくないけど、とにかく「ちゃんとした」絵になっている。

「まるで人間の画家のように」というのは失礼かもしれない。AARON は画家なのだ――少なくとも、ふつうの子どもより絵がうまいだろう。もっとも、「この絵は美しい、上手だ、価値がある」というのは人間の価値観で、マシンが人間を追い越し始めるにつれ、マシンは人間の美的センスを幼稚だと思うかもしれない。そして人間の価値観では理解できない絵を「より優れている」とみなすかもしれない……

20kb

AARON が絵をかいている途中の状態(部分、原寸大)

AARON という「ゴースト」がえがいた画像の著作権は、だれにあるのだろうか?  AARON の開発者がAARONというツールで作った画像なのか。それとも、それはAARON自身の著作物というべきか。AARON が新しい手法を「発見」したら、それは、「だれの」発見なのか。――ホフスタッターあたりからよく話題にされるようになったこの哲学的問題は、もうあすにも現実的問題になるかもしれないが、人間さんの側のこころの準備は、必ずしもまだ充分とは言えない。くだいていえば、いつからマシンに「人格」を認めるか? という問題だ。結局のところ、人間は「霊長」でなくなるだろうし、たとえ当面そうならないようにマシンたちを隷従させたとしても、人間にとって世界観の根本的な変化は、まぬかれない。多くの人々が、この点で、「世界」がマージナルな境界領域に近づいていることを感じている。

妖精は、もはやおとぎ話のなかだけの存在では、ない。

AARON が自分で自分の特許申請をして、生みの親の人間たちに「わたしをさらに開発するには、ライセンス料を支払ってください」と言い出したら……と考えるのは、非現実な話だけれど、ある意味、核心をついている思考実験だ――それも、すてきに皮肉な形で。「着想そのもの」が、自分のポテンシャルのゆえにもっと高機能に進化してゆこうとするのは、じつは、(人間などを触媒とする)自然で自発的な進化なのかもしれない。「着想そのもの」が、そうやって自然に内発的に育ってゆこうとしているとき、その着想に、かつてたまさか出会った老いた人間が、権利の侵害だ、断固たる措置だ、としゃしゃりでてくるのは、まるで、地動説に対するかたくなな天動説の信奉者(しんぽうしゃ)のようだ。

著作者を中心に作品がまわるのでなく、着想そのものの魅力を中心に開発者たちが動くべきなのだから。

妖精現実内の関連記事アノニマス・コペルニクス

AARON は Kurzweil CyberArt Technologies 社のサイトからダウンロードできる。 ダウンロードサイズは9.2MBで、30日間の無料試用(機能制限なし)が可能。

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